地元ケーブルテレビ「アドバンスコープ」の番組ガイドに掲載されたコラムから抜粋いたしました。
『芸術の秋』
10年目のこの夏、初めてお芝居に挑戦しました。
名古屋御園座で我が師・三枝の座長公演に端役として出演させてもらった。一門で16名もおり出番がなかなか廻ってこない。師匠が芝居を始めて5年目でやっとの出番。もちろんセリフはなかった。
落語も芝居も同じく演じるものなので難しくないように思われるが、落語と大きな違いで、人がしゃべっている時も演技をしないといけないのには参った。しかもこれが結構重要なのである。その演技で存在感を出さないといけないが大げさにして話手の邪魔をしてもいけないのである。落語は常に自分が主役なのでわがままに演じられるからである。最初はこの葛藤に悩まされたが不思議な事に慣れてくると大事さが見えてくるのである。芝居を通じて脇役の凄さを痛感した。「脇を固める」とはよく言ったものだ。私は「脇が甘い」とよく言われる。
「アドバンスコープ番組ガイド2006年9月号より」
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