ひと夏の思い出

三弥の思い出

アドバンスコープ番組ガイドに掲載されていた三弥のコラム「桂三弥のつぶやき」からの抜粋です。

 例年、阿波踊りに参加する事しか予定がない私だが、今年の夏は仕事が忙しかった。先月号でも書きましたが同級生の落語会から始まって、お盆を挟んだ一週間は繁昌亭で14席の話をさせて頂いた。私の人生の中でこれだけ話した事はなかっただけに心地良い疲れだった。

そして一番の嬉しさはNGKなんばグランド花月)の舞台に立てた事だ。何と言ってもヨシモトの聖地、お笑いの聖地と言っても過言ではない。

師匠のような大御所もチュートリアルのような勢いある若手でも、立ち見も出る超満員の観客を爆笑させる。一方、ベテランと言えども芸をおろそかにしていると容赦なく切り捨てられる。まさしくプロと言える。そんな厳しい場所に立つ事ができた。

一門でコントをしたのだが、我々が出ていくと割れんばかりの拍手。そして大きな笑い!・・・にはならなかった。世の中そんなに甘くない。”一瞬先は闇”。NGKは出る所ではなく、笑わせる所なのである。それが出来なければ客席にまわって笑う所なのである。

”完敗”だった。

思わず高校球児のように砂ならぬゴミを集める所だった。

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