一念発起

三弥の思い出

アドバンスコープ番組ガイド内のコラム『桂三弥のつぶやき』から

 9月15日に繁昌亭が1周年を迎えました。お蔭さまで昼席は相変わらず大入り満員です。「こんなに続くなんて、もうあかんやろう。」と思いながら1年が経ちました。本当に「シンジラレナーイ!」。今更このフレーズを使っても許される雰囲気である。半分は物珍しさだとは思うが、「もう何十回も通うてます」と言うありがたい声もよく聞きます。

この繁昌亭人気をよそに日本一周落語武者修行をしている者がいる。兄弟子の三若である。

4月1日に出発し、東日本を周っているころだろう。その兄さんがこの名張にもやってきた。9月28日に桔梗が丘2番町の「ギャラリーようこ」である。私も当日駆けつけ久し振りに再会した。風貌は変わらなかったが、内面に持つ“自信”というものがあきらかに違っていた。どんどん離されていく気がした。それを気付かせてくれた。

私にとって素晴らしい誕生日プレゼントとなった。「このままではいかん。ミナリ(私の本名)をどげんかせんといかんとです」。そう言い聞かせた私は一念発起。繁昌亭で初めて独演会を開く事にした。

『アドバンスコープ番組ガイド2009年11月号 より』

<2024年の補足>桂三若さんはその後、無事に日本一周落語修行を終えられました。そして、2024年は噺家三十周年と全国各地で落語会を開催されています。

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