事始め

三弥の思い出

アドバンスコープ番組ガイドの「桂三弥のつぶやき」というコラムからの抜粋です。

『事始め』

 今年もあっという間に師走ですな。「師匠が走る程忙しい」のですが、落語では自分が借金の金策に走り回らなならんのです。

 大晦日の借金取りを追っ払う「掛け取り」という噺があります。借金取りの好きな狂歌などを話題にしてうまく追い払うのですが、今の世にこんな粋さがあればと思うんですが。

 噺家にとって12月は大事な月なのです。金策に走るんとちゃいますよ。それは13日に行われる「事始め」。我々にとっての正月です。一門が正装して師匠宅に集まり、部屋には鏡餅が並べられ、今年の反省と来年の抱負を述べるのです。その後、師匠からありがたい訓示と一緒に白扇を頂くのです。ずぼらな商売と思われがちですが、結構マジメなんですよ。ただ、厳粛な儀式をした後は夜遅くまでワイワイ飲んで酔っ払って、ありがたい訓示をすっかり忘れてしまうんですが。

 さて今年。いろんな事がありました。

1位 故郷に錦?

 何といってもこの名張で三枝独演会を開いて頂いた事。修行中、悪さばかりしていた私にとって師匠に来て頂く事はは考えられなかった事だったので、感激のあまり舞台で思わず涙。客席から「がんばれー」の声。一生忘れられない事です。

2位 定席・繁昌亭の誕生

 予想以上にぎわっていて、噺家一同うれしい悲鳴をあげております。皆さんも是非お越しください。

3位 役者デビュー

 8月の1か月間、人気番組「アドバンステーション」からお休みを頂いてまで頑張りました。セリフは無かったけど・・・。

 皆さんはどんな1年でしたか?自分の10大ニュースを考えるのも面白いですよ。

では皆さん。良いお年を。

  「アドバンスコープ番組ガイド2006年12月号より」

(ここからは桂三弥㈱からの追伸)

桂三弥㈱の今年のニュースは何と言っても、7月に「三弥追善公演 六代文枝一門会」が開催出来たことです。コロナ禍で延期になっており、念願の開催でした。ご来場戴きました多くの方々や関係者の皆様、誠にありがとうございました。又、9月には名張で定期落語会「弥会de落語」も開催させて戴きました。ご来場戴きました方々や関係者の皆様にお礼申し上げます。     実兄T

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